国立京都国際会館の建築

設計について

大谷 幸夫

設計者:大谷 幸夫

設計について

設計については、わが国では初めてとなる公開設計競技方式(コンペ方式)が採用され、195の応募作品の中から、大谷幸夫氏の作品が最優秀作品に選定されました。
1964(昭和39)年1月24日に工事を開始、1966(昭和41)年3月20日に全ての工事が完成し、5月21日に開館しました。
その後、プレスセンター機能に関するニーズが高まり、初の増築工事が実施されることとなりました。共同記者会見室、プレスセンターのほか、宴会場(さくら)も併設するための増築工事が、1972(昭和47)年12月に完成しました。
展示施設を要望する声も高まりゆく中、展示以外にも多目的に使用できる施設として、イベントホールの建設が1983(昭和58)年7月から開始され、1985(昭和60)年4月に完工しました。
会館建物については、日本建築の伝統美を活かしつつ国際会議場としての美しい立体面を構成しているということで、完成当初から高い評価を得ています。1998(平成10)年には建設省設立50周年記念事業「公共建築百選」に選定され、2003(平成15)年には日本建築学会から、18〜19世紀頃の合理主義的な思想等をベースとする美的な線や面の構成に基づく建築物の一つであるとして、「日本のモダン・ムーブメント100選」に選定されました。

建築家 大谷幸夫(1924-2013)

  • 東京都港区生まれ。1946年東京大学工学部建築学科卒業、1951年同大学院修了
  • 1960年まで丹下健三計画研究室にて広島平和記念公園及び記念館、旧東京都庁などの設計・監理に参加。1961年株式会社設計連合設立。
  • 1963年国立京都国際会館の公開設計競技(コンペ)で最優秀賞を受賞。
  • 1964年東京大学都市工学科助教授就任。1971年教授。1967年大谷研究室設立。
  • 1984年千葉大学教授、1989年退官。東京大学名誉教授。
  • 金沢工業大学本館(1969)、沖縄コンベンションセンター(1987)、千葉市美術館・中央区役所(1994)。

インテリアデザイナー 剣持 勇(1912-1971)

東京都生まれ。1932年東京高等工芸学校木材工芸科(現、千葉大学工学部)を卒業、同年、仙台の商工省工芸指導所で家具の研究と試作を開始、訪日中のドイツ人建築家ブルーノ・タウトと交流を持つ。1955年剣持勇デザイン研究所を設立、1958年ブリュッセル万国博覧会日本館で前川国男と共作(グランプリ受賞)、同年、香川県庁舎で丹下健三と共作する他、イサム・ノグチなど同時代の建築家との共同プロジェクトにも積極的に携わった。
近代インテリア・デザインの先駆者であり、柳宗理らと共に日本の伝統をジャパニーズモダンとして現代に再生させ、世界のデザイン界に日本的美学の揺るぎない地位を築いた功労者。

館内の装飾品・調度品

  • 照明レリーフ
  • 2階シャンデリア
  • 2階ステンドグラス前照明
  • DSCN0320
  • 大会議場天井
  • RoomA天井
  • RoomD天井
  • 大会議場ビスケット
  • 大会議場ビスケット大
  • RoomF前レリーフ
  • レリーフ
  • 照明レリーフ
  • ステンドグラス
  • アネックスホール化粧室前照明
  • 大会議場前ロビー椅子

建築概要

所在地 京都府京都市左京区岩倉大鷺町422番地
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造/一部鉄筋コンクリート造
規模 敷地面積:156,096m² 延床面積:46,743m²
T期本館 地下1階・地上6階・塔屋2階
敷地面積:154,200m² 延床面積27,092m²
開館:昭和41年5月21日
設計:大谷 幸夫
家具:剣持勇デザイン研究所(一般家具・調度)、
   藤森健次設計事務所(傍聴席・大会議場代表団席)
美術:AAA(Association des Artistes pour l'Architecture)、篠田桃紅、菅井汲他
監理:近畿地方建設局
U期本館増築 地下1階・地上3階
延床面積:7,220m²
開館:昭和48年1月8日
設計:大谷 幸夫
家具:剣持勇デザイン研究所、石井幹子デザイン研究所他
監理:近畿地方建設局
イベントホール・ロッジ 地下1階・地上3階
延床面積:8,608m²
開館:昭和60年4月2日
設計:大谷 幸夫・大谷研究室
監理:近畿地方建設局
アネックスホール 地下1階・地上3階
延床面積:3,700m²
開館:平成10年4月1日
設計:大谷 幸夫・大谷研究室
監理:近畿地方建設局

約68度に傾斜した鉄筋コンクリートの壁や柱と水平の梁が幾重にも重なり合い、台形と逆台形の空間の組み合わせで構成された力強い建物。そして宝ヶ池を借景にした美しい日本庭園。 比叡山を背にし、穏やかな山間いに佇む国立京都国際会館は「古都京都と周辺の自然環境への照応」、「人は自然の中に集い話し合う」というコンセプトのもと、建築家大谷幸夫によって設計されました。また、家具や室内装飾の多くは、今は亡きインテリアデザイナー剣持勇の作品です。
日本のモダニズム建築の代表的な作品の一つに挙げられる当館の建築について、様々なエピソードをご紹介します。

  • 国際会館のモダニズム建築T
  • 国際会館のモダニズム建築V
  • 建築と家具T
  • 建築と美術の協同・連携
  • 国際会館のモダニズム建築U
  • 国際会館のモダニズム建築W
  • 建築と家具U
  • 本物の日本文化に出会うひととき

参考文献

  • 「建築と社会」1966年6月号 発行:(社)日本建築協会
  • 「国立京都国際会館の建築」 発行:(財)国立京都国際会館
  • 「−国立京都国際会館の試み−」1999年 発行:建築と美術の協同
  • 「鵬雲斎千宗室好聚成 第三巻茶室篇」
  • 「松下真々庵茶室集録」 発行:共に淡交社